光と雫




*8*

「俺達帰るから。」

その言葉を残し、アマダラ城を後にしようとした、
ハレルヤ王国の王子と姫。






「葵。ちょっとまってよ。」
「?」
ハレルヤ王国の王子、葵は、アマダラ王国の王子に呼び止められた。 葵は、立ち止まり振り返る。
「なんだ?」

「僕が答えなくても解るんじゃないの?」


アマダラ王国の王子、守良は細く笑いながら言った。ハレルヤ王国の姫、光は、その守良の細い笑みを不思議に感じた。


「(何かが起こるような気がする、、、、、。)」


「光。先に帰れ。パーティーのしたくでもしておけ。」

葵の言葉に光は、はい。と短く返事をした。

守良は、光達に背中を向けて歩き出した。そして葵がそれに続く。それとは逆方向に光は歩き出した。



その様子を城内の自分の部屋の窓から雫は眺めていた。

だが、王子二人が城に向かって歩いている事に気付いた彼女は、
「シャっ」と音を立ててカーテンを閉めた。















カーテンを閉めたせいで暗くなった部屋に雫は一人でただ立っていた。
「(、、、、、、。嫌な予感。、、、、、)」

雫も何かを感じていたのであった。




双子の片割れ。光は。兄の指示を無視して。こっそり。二人に着いていった。

そんな事は、王子二人。姫一人。つまり3人は知る由も無かった。









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