光と雫
*7*
「そっかぁ〜。知っちゃったんだね。」
守良は、隣に座る雫をポンポンと軽くたたく。
そして、雫は俯きながら小さく頷く。
「外じゃなんだから、、、、」
という守良の言葉で、光と葵はアマダラ城に案内された。
光も、葵もアマダラ城の中に入るのは初めてだった。
まるで、雨の雫のようなシャンデリアがある部屋に案内された。
そこは、小さな丸いテーブルと、それに合わせたソファーしかない、
部屋の広さの割には、
何も無いところだった。
そこで、光と雫は今日あった出来事を守良や葵に話して聞かせた。
そして、、今に至る。
「そっか〜知っちゃったんだね。」
守良は、隣に座る雫をポンポンと軽くたたく。
そして、雫は俯きながら小さく頷く。
「守良様。なんで、今まで私の実の兄様では無い事を、黙ってらっしゃったんですか?」
俯いていた雫が守良の目を見上げて言った。
「それもそうよ。葵も知ってたんじゃないの?この事。」
光も「そうだ」というように、今までなぜ黙っていたのかがわからないと、
二人は言い出した。
そして葵が、
「もちろん、俺も守良も、知ってた。しかも、結構前から。」
守良が頷く。
「じゃあ、なぜすぐに―。」
と光が言いかけたところで、守良が冷たい目でこういった。
「君達は、14才でそんなにこの事について驚いて騒ぎ立てているのに、
そんな何年も前から、この事を知ってしまえばもっと騒ぎ出すだろうし、
心の傷も深いと思ったからだよ。『なんで なんで』って言うけど、僕達だってね
結構苦労しているんだ。それに―」
「守良。いいよ。そのぐらいにしておけ。2人とも泣きそう。」
守良と目が合ってしまった光は「はっ」と目を逸らした。
「あぁ〜っ。俺達そろそろ失礼するわ。行くぞ光。」
と葵が立ち上がる。
「えっ、、、、、あぁはい。」
そして2人はアマダラ城を後にした。
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