光と雫

*4*
「そ、、、それでは、、、お兄様は、、。どういうことですの、、、。」
雫が長い沈黙を破った。
「あの方は、、、、、。アマダラ国の王は、やはり世継ぎが必要だとお考えで、西の魔女にたのんで、雫さんより六才はなれた、人を作りましたの。それが、守良(しゅら)さんですわ。、、、、。」
再び長い沈黙。
「でも、私のお兄様は本物でしてよね?」
光が二度目の長い沈黙を破る。光にも雫にも、6才はなれた、兄がいた。
「えぇ、、、。葵(あおい)は、、、、。」
光はチラッと双子の片割れの様子をうかがった、目が涙目になっている。
そして、雫はスッと立ち上がり、走り出した。
「あっ、待って!」
光が呼び止めたのも無視して、雫は走りつづけた。
「光、葵と一緒に付いてってあげてください。」
「はい。」
「葵ぃ〜!!」
お妃が葵を呼んだ。
「なんでしょう。」
「光に付いていきなさい。」
「あっはい、、、。」



光と葵は、雫が乗ろうとしていた馬車に、無理矢理、乗りこんだ。
                                      つづく


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