光と雫
*3*
『あっ、あなた!!!』
部屋の人々も、なぜ私達が驚いているのか、わかったみたいだった。
光が驚いた理由、、、、、。それは、光とアマダラ国の少女がそっくりだったからである。まるで双子のように、うりふたつだったのだ。
光は王のもとへ走った。
「はぁ、、。お父様、どう言うことですか?あちらは、どなたなの!?」
父は、光から目をそらした。
「わたくしの、目を見てくださる!?」
光は思いっきり動揺していた。
「あちらの、ご令嬢は、アマダラ国の、姫様で在られるぞ、、、。」
「では、なぜ、私にそっくりなのですか?」
「それは、母さんに聞いてくれ、、、。」
「わかりましたわ!!!!!」
そして、光はアマダラ国の姫をキッとにらみつけ、言った。
「私と一緒に来てくださる!?」
「えっ、、、えぇ。」
光は、会議場の扉を勢いよく開き、飛び出していった。
「速く、馬車を!」
馬車の中で、、、、。
さっきまで、走っていた、雫の髪がゆれる。雫、自体、なぜ。ハレルヤ国の姫とそっくりなのかわからない。その問題を解決するために、ハレルヤ国の姫についてきたのだ。
「申し忘れていましたけれども、私、"光"と申しますの。そちらは?」
光がしゃべっている。雫は一度聞き流そうと思ったが、この馬車の中にいるのは、雫と光の二人だけ。さすがにシカトは無理だと思い、雫は、自分の名前を告げる。
「雫、、、、。」
「で、おいくつでして?」
すぐに、光の質問が返ってくる。喋り方からいくと、そうとう腹を立てているようだ。
「14ですわ。」
「同い年か、、、。」
光が小さく呟く。
城の、門が見えてきた。馬車は、城の周りにある川に掛けてある橋を渡っていた。
「全ては、母に聞けば解る。」
光は思っていた。
雫は相変わらずうつむいていた。
バァーン!!
光は、またもや大きな音をたてて扉を開いた。
後ろから、ツカツカと雫が追いかけてくる。光は半分小走りだった。
「お母様!!」
お妃のいる部屋で、光は叫んでいた。
「何かしら?会議に出かけているのではなく、、、、、、、。」
お妃はフラフラ倒れそうになったところを、メイドたちに支えられ、イスに座った。
「どういうことですか。」
「私も、それが聞きたくて!!」
雫も訴えた。
「では。、、、、はっきり言いましょう。あなた達二人は、血の繋がった双子でしてよ。」
「なぜ、違う国に、、、。!」
「光、落ち着きなさい。雫さん。お久しぶりね。でも、あなたは私を覚えているはずは無いでしょうね。私とあなたが別れたのは、14年も前の話。
お二人に、全て話しましょう。まぁ一部省略させていただきますけど。
私と、雫さんの父親。つまりアマダラ国の王は、愛し合っていましたの。でも、お互い、異国の王家の一族。、、、。そして、無惨にも、無理矢理私達は引き裂かれ。私は、いまの夫と結婚し、そしてあなた達が生まれましたの。でも、アマダラ国には、子供が生まれず、どうしても、欲しいというので。平和のためにも、雫さんを、アマダラ国に渡しましたの。、、、、。」
長い沈黙が流れた。 つづく
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