四人は、天気操作局に来ていた。
天気会議所で決定された天気を、この建物の中心で操作する。そういった国の建物である。
「とにかく中に入るぞ。」
葵がそう言って先頭を切り歩き出した。
建物の中には、何十人という役人が、血を流していたり、
気を失ったりしていた。
「全部、兄様が、、、、。」
雫が呟いた。
四人は、倒れた役人を、跨ぎながら廊下を歩いて、中心に向った。
この建物の中心には、聞いたことしかないが、ものすごい数のボタンやレバーなどが並び、
全ての位置をきちんと把握しているのは、誰もいないという。
一本道だった廊下を抜けて、開けた場所にたどり着いた。
この建物の中心といわれる、操作本部
「ここが、、、、」
光が零した。
その部屋に、
「兄様っ、、、、」
目的の人物は目の前にいた。
雫の声に気づいた彼は振り返り、
「なに、、、もう来ちゃったの?」
そう言ってわざとらしく困った振りをして見せた。
「ま、こういうのもありかな。」
そう言って、右手に持った剣から赤い液体を滴らせながら微笑みかける。
「、、、、。」
何も言わずに立ち尽くす四人に
「全てセットしてあるよ。大雨、強風、ハリケーンなどなど、、、、、その他アマダラに関わる水のものならね。
実行するには、あの赤いボタン。リセットするには青いボタンを押す。」
部屋の奥にある大きな二つのボタンをさした。
次の瞬間、葵が腰に吊るした剣を鞘から抜いて守良に向っていった。
守良はすばやく反応して、それを剣で受けた。
カキーン
と湿った音を響かせて、二人はにらみ合った。
葵は、守良から目を離さずに、
「光っ!!走れっ!!」
叫んで光に促した。
光は、その声の通りに奥のボタンに向って走り出したが、
「行かせないっ。」
守良が葵を弾き返した。
ガッシャァンッ
ものすごく大きな音を立てて葵が吹っ飛んだ。
その隙に、守良は、光の前に立ちふさがった。
「ここで、全員殺してから、あのボタンを押すってのもありかな。」
小さく笑って、守良は剣の切っ先を光に向けた。
光は守良から視線こそは反らさなかったものの、危険を感じて一歩下がった。
「そんなに怖い目で僕を見つめてるのに、やっぱり自分の命が惜しいか。」
言いながら、一歩踏み出して、光に向って剣を振り下した。
「光ぃぃっ!!」
雫が駆け出した。
「まちなよっ!!」
その声にピクンと反応した守良は剣を止めた。
飛ばされた葵も立ち上がっていた。
五人全員がその声の主のほうを向いていた。
「おばあちゃん!!」
晴雨が声をあげた。
back/top/next