ガシャコンっ!!!



守良は乱暴な音をたてて、レバーを動かした。



「王子!!お止めになってくださいっ!!」


役人たちが駆け寄って、王子を止めようとしたが、



「五月蝿いんだよぉっ!!!!」


腰に吊るしていた剣を鞘から抜き、一振りして、次の瞬間、
赤い飛沫が飛んだ。



「黙って動かないでいてくれるかな?」



そう役人たちを睨みつけた。






そのころ、


ハレルヤ城では、家来たちが忙しく駆け回っていた。
その理由を特に気にすることもなく、光は一人、父親の元に向っていた。

早足で廊下を歩く光に

「光っ!!」

誰かに呼び止められた。振り返ると

「葵、、、様。」

王子、葵が立っていた。

「光、知ってるか?」

「何を?」

「アマダラの騒ぎを。」

少し声を落として彼は光に尋ねた。
「えぇ。甘く見ないでくださいまし。王様や后様の自殺の件でしょ?」

勝ち誇ったように笑ってみせた。葵は一瞬驚いた顔をしたが

「俺は今からアマダラに行くから。」

「何もわざわざ行かなくとも、私の手筈の方が進んでいてよ。」

そういって光は葵の腕をつかむと、引っ張って歩いた。

「なっ何を!!俺はアマダラに、、、」

「いいから黙ってついて来てくださいます??」

そう言って黙って歩き続けた。

長い廊下を抜けて、一つの大きな扉の前に立った。


両手を掛けて力いっぱい押し開けた。


部屋の中には、なにやら難しい顔をして大臣と話しこんでいる王がいた。

「お父様っ!!」 その呼び声に反応して、王が此方に振り向くと、

「光、葵!!」


「王子、姫っ。」

王と大臣が声をあげた。


「大事なお話があります。少しお時間よろしいでしょうか?」


一瞬困った表情を見せた王だったが、光の真剣な顔を見て。

「よろしい。」


そう答えを出した。


「ありがとうございます。では、大臣、城の者全員をこの部屋に集めていただきたいのですが?」

「はい、畏まりました。」

大臣が部屋を出て行った。

「お父様、ここに全員が集まるまで、少々準備のお時間をいただきたいのですが?」

「うむ。」

「では、失礼します。お兄様一緒に来てくださいますか?」


そういってもう一度葵の手を引いて光は歩き出した。
















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