光と雫
雫は、背中に守良の視線を感じながら、あえて振り向かずに、走った。
そう。光の指示どおりに動けば、王も后も助かるのだ。
たとえ産みの親でなくとも、育ての親なのだから大切にするのは当たり前の事だと思っていた。
「光の言うように行動して助かるのなら、、、、、」
そんな事を考えているうちに、庭へと再びやってくることとなった。
そこでは、大臣や家来たちが王や后の死体を運び出しているところだった。
「晴雨さん、、、、、ありがとう。」
二人の偽者の死体を確認して彼女は呟いた。そして、大臣に駆け寄り
「どういうことですか!?お父様は!?お母様は!?」
狂ったように大臣にしがみ付いて問う。
「我々も驚くばかりです、、、姫様。、、、、ご覧の通りお二方は自殺なされました。」
雫はその言葉に、しばらく凍りつき、このぐらいで良いだろうというタイミングで、庭に背を向けて駆け出した。
都合の良いことに、誰もそれを引き止めなかった。
雫はそのまま、城から出てハレルヤに向った。
そのころ、彼、、、、守良は、天気操作局にいた。
「おっ王子!?」
操作局の役人が驚きの声を上げる中、
「どいて。」
つかつかと、彼は建物の中心に向っていった。
この建物の中心、、、、それは下界の天気を左右する、スイッチやレバーのたくさんある、
操作本部、、、、。
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