光と雫
「そんなこと無いみたいです。間に合っていれば成功です。」
晴雨が両手を地面から離すと、其処にあったはずの布が跡形も無く消えていた。
「行きましょう?アマダラ城に。」
晴雨が力強く言った。
光、晴雨、意識を取り戻した雫がアマダラ城にやって来たとき、
城の庭には倒れたカップや零れたお茶、小さな丸テーブルが
先ほどまで人が居た形跡を残していた。
そして、そこには、雫の衣服の切れ端と見られる布が二枚ひらりと在った。
「間に合ったようですね、、、。光様?」
晴雨が少しホッとしたような声で言った。
「えぇ。あなたのおかげね。」
同じく光も安堵して立っていた。
「ご無事で、、、よかった、、。グスっ」
雫はというと、王と后の無事を確認し、涙を零していた。
「これから、どうしましょうか?光様、、、、。」
「そうね、、、、」
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