光と雫
「これは?」
布切れを、晴雨に差し出した。
「大丈夫です。」
「晴雨、、、、、本当にそんなことできるの?」
「解りません。試したことないですし。でも、昔お婆ちゃんに教わったんです。
いろいろと。」
晴雨は、布を地面に丁寧に広げてその前に座り、両手を二枚の布の上に置いた。
光は黙ってそれを見下ろす形で眺めていた。
信じよう、、、、、、
そう思っていた。
「ふぅ、、、。」
晴雨が大きく深呼吸をした。
そして、晴雨の口から、零れるように、歌のような呪文が流れてきた。
そして。
「、、、、、、、、この布と入れ替えましょう!!」
晴雨は強く言った。それと同時に二枚の布に体重を掛けた。
しばしの静寂。
「なにも、、、、、、、起こらない、、、、」
光が呟いた。
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