光と雫
「二人とも、気づいておるんじゃないかい?」
魔女の家って、シンプルなのね。と私は思った。
私たち四人は、西の魔女の家の、テーブルの前に座っている。
私の隣には、雫。私の向かい側に、魔女の孫とかいったかな、、、晴雨とかいう女。その隣に魔女。
「何が?」
私は、訳がわからないというように言った。
「お前たちの、兄のことさ。」
思い出した。あのときの守良の顔を。冷たい目をしたあの、、、、、
鳥肌が立った。
雫を横目で見ると、眉間に皺がよっていた。
「お兄様が何か?」
私は、何も知らない振りをした。
かかわりたくも無い。私の国のことだけれど。
私じゃ何もできやしないのだから。
「とぼけるんじゃないよっ!!!話が進まないじゃないか!!」
魔女がテーブルを拳で叩きつけた。
「戦争のことですよね。」
雫がボソッと言った。
「そうさ。知っているなら早くいいなよ。」
魔女は苛々しているようだ。
「まったく、あんたの兄貴は何を言い出すかと思えば。」
雫に向かって、吐き捨てるように言った。
「ありゃあ、失敗作だよまったく、、、、」
その言葉を、雫はどう思ったのだろうか。
私の隣で、勢い良く雫が立ち上がった。
「しっ、、、失敗作だなんて仰らないでくださいっ!!」
その瞳には涙が溜まっていた。
「兄は、どうしようもなく、わがままで、独占欲の強い方で、私もあまり好まない性格ですけれど、私の兄です。
後に、一国の王ともなる方です。その方を、、失敗作だなんて、、、。そんな。」
「悪かったよ。悪かったから。座りな。」
「失礼しました。」
雫は静かに腰を下ろした。
「それで、どうやってあの人形を止めるかだよ。」
その言葉にまたしても、雫の方がピクンと揺れるのが見えた。
歯を食いしばって我慢していた。
「何か方法は無いのですか?」
私が聞いた。
「無いことは、無いよ、、、ただ、、、、、」
「ただ?」
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