光と雫
今思い返してみると、おばあちゃんは、昔から
とてつもない変人だった。
「晴雨はとても良い子だね。私の後継ぎには十分な子だよ。」
私の頭を撫でて、よくそう言った。あの頃の私はその意味がなんなのかも解らなかったし、おばあちゃんに対しても少し警戒心を持っていたのかもしれない。
おばあちゃんは、たくさんの、おまじないを教えてくれた。
傷を治したり、喧嘩をしている人達を仲直りさせるもの、、、、
それから、、、、、、、
まぁそのいろいろと、不思議な事を教えてくれたけど、
いつも、呪文を教えてくれるだけで、やって見せてはくれなかったし、
私自身、おばあちゃんの言っている事はとても信じがたかったので、やって見ようとは思わなかったのだ。
だけど、今でも覚えてるの。あの呪文は。
10年近く前の話なのに。
おばあちゃんは変人だったし、少し警戒していたけど、何故か嫌いにはなれなかった。
寧ろ好きだった。何故なんだろう。
思い出した。
なんでも消し去ってしまう、呪文も教えてもらっていた。
私が願ったもの全てをこの世界から、跡形もなく消してしまう呪文。
そんな事を思い出していたら、私の目の前に、
私より少し背の高い、そっくりな2人の少女が現れた。
おばあちゃんは、この2人を、「光」と「雫」だと教えてくれた。
私は今、空の上に来ていた。
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