光と雫
「ちょっと待ってください。」
「あなた、王子様なんですよね?」
晴雨は確認するように言った。
雫はまだ守良の腕の中。
「そうだけど。」
「王子様って、お父様が、、、つまり王様がまだ生きていらっしゃるから、王子様なのでしょう。
あなたは、自分のことを王子と言うならば、王様が生きているってことで、、、その、、、
あなたは、王様の意見なしで他国と争いごとはできないのでは?それとも、王様もあなたと同じ意見なのですか?」
「僕の父には何も伝えてないし、僕は父に従うつもりも無いよ。」
「そんなことできるのかしら?絶対王政のあなたの国の軍が王の命令なしで動くのかしら?」
これは私の意見。
守良はニヤリと笑みを浮かべた。
不気味な。
「もし、、、今の王がもうすぐ死んだとしたら、、、、?」
「、、、、、なっ!!」
「失礼するよ。」
「ちょっと待ちなよ!!」
私の声を無視して、守良は腕の中の雫を解放した。
足に力が入らないのか、雫はその場に音を立てて倒れこんだ。
守良を追いかけることもできたが、雫が気になってしまって止めた。
「雫!!」
「雫様!!」
顔色が悪い。そして何かを伝えようとしていた。
「、、、、される、、、殺される、、、、、、、お父様、、、お母様が、、、、あの、、、お兄様に殺される、、、、」
「どういうこと!?」
雫はここで気を失った。
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