気づいてしまった、、、、
図書室。
掃除なんて、思ったより結構早く終わってしまった。
だけど、私は、、、、、
私の涙は止まってなんかいやしない。
「美香。おいで」
愛ちゃんにそう言われて、
つれてこられた。 図書室。
珍しく誰もいない。
「んで。」
愛ちゃんが、図書室の机の上に ドカッ と座って足と手を組み
「ぼけっ」と立ちっぱなしの私を、したから私を少々睨みつけるように言った。
「んで?」
愛ちゃんの質問の意味がわからず、聞き返す。
「だから、何で美香は泣いてたのよ。」
口調は少し怖いけど、愛ちゃんは優しいの。
「愛ちゃん。 私、病気かなぁ、、、、?」
「は?」
「なんか、西野を見てたら、泣いちゃったのぉ。」
「は?」
「西野ね、彼女と一緒にいたのぉ〜」
「石原か、、、、。」
愛ちゃんの言い方は、少しヤクザみたいだったけど、気にしなかった。
「っていうか、なんで西野を見て泣くのよ。」
「わかんない。」
「あんた、西野となんかあったの?」
「教科書かしてもらった。」
「それで泣いたの?」
「ちがう。」
「他は?」
「今日の掃除当番、、代わってあげた。」
「掃除が嫌だから泣いたの?」
「ちがう。」
「じゃあなに。」
「あ、、、、」
思い出したように私は言った。
「最初に教科書を貸してもらったときから、私、西野を観察してた!」
「はぁ?」
「ねぇ、、、やっぱり私病気?」
愛ちゃんは、腕を組んだまましばらくポカンと私を見つめ、、、
私に人差し指を向けていったのだ。
「あんた、西野が好きなんだよ!!!」
「ぎゃぁ〜〜〜〜〜っ!」
思わず叫んでいた。
愛ちゃんが、耳を塞ぎながら
「静かにっ」
と私を睨む。
「うっそだぁ」
声のボリュームを少し小さくして私は言った。
「じゃぁ、観察してる相手の彼女を見たら、普通、『情報ゲットォ♪』
とか、アンタなら思うでしょ。」
「うん。」
納得。
「でも、アンタは泣いたよ?情報がゲットできたから泣いたんじゃないでしょ。」
「うん。」
「じゃあ決まりだよ。アンタは、西野が好きなの。」
「、、、、、そぉなんだぁ、、、、」
「告れるときに、告っちゃえば? じゃね。」
愛ちゃんは行ってしまった。
愛ちゃんの後を追おうとしたけど、動けなかった。
告れるときに、告る!?、、、、、、、しばらくその場に固まる事になった。
告れるときに、告るって。向こうは彼女がいるんだよ。
無理でしょ。
愛ちゃん、、、!
それに、実感わかないしあんまり。
もういいや。忘れよう忘れよう。
いつのまにか、私は自分の教室に戻って荷物をもち、下駄箱にたどり着いていた。
「あ。」
下駄箱に、私より先に立っている人がいた。
「わりぃ、 長野、掃除終わっちゃったよね。」
きっと、先ほどまで走っていたのだろう。ハァハァと息切れしていた。
私は、ソイツの名前を知っていた。
――――――― 西野。