下駄箱
西野っ ―――――― 。
「わりぃ、 長野、掃除終わっちゃったよね。」
「うん。」
まともに、西野の顔が見れないよ。
「どした?どうして下向いてんだよ」
痛いところを突いてくるなぁコイツ。お前のお陰じゃ。
「別に。」
軽く睨んでやった。
「戻った。戻った。」
ポンっと軽く肩を叩かれた。
「あ。彼女は?もしかしてフラれたとか?」
冗談で、私はニヤリと悪戯っぽく言ってやった。
「うん。」
「、、、、、、、、、あぁ!?」
「なんかさ。他に好きな奴がいるんだと。」
「そっ、、、、、そうなんだ。」
「はぁ〜あ。」
私のなかで、愛ちゃんの
「告れるときに。告っちゃえば?」
が木霊している。
でも、今、西野に告白したら、これってなんんか弱みに付け込むようで嫌じゃない?
どうする私!! 長野 美香!!!!!
そんなとき。
「ちょっといい?」
と、西野が私の右手を握ってきた。
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「どうしたの?」
心臓がバックンバックンいっているのがわかる。それでも、なるべく平静を保ったような声で聞いた。
「寂しいなぁと思ってね。、、、、、、、ありがと。」
そういって、私の右手を解放した。
「ねぇ。、、、、、、そのさぁ。弱みに付けこむようで、
あんまり私的には好ましくないのだけれど、
もし、良かったら。その。私がアンタの彼女にってのは、、、、、
あ〜その。西野といると楽しいなぁって私、最近思うの。
私、寂しくさせないから、、、、、。」
西野 驚いたような顔をした。
「それって、俺に告ってんの?」
「へっ? あ。うん。まぁ」
そしたら、奴は、また私の右手をつかんだと思うと、自分の方に引きやがって
「ぎょあぁ」
私を抱きしめやがった。
そして
「ありがと」
って、言った。
(完)